01.22.21:49
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04.30.00:55
<デトロイト・メタル・シティ>というコミックがある。
現実にトリヴュートアルバムが出たり、今年(2008年)の夏には「映画化」もされる人気作だ。 (ちなみに主人公を演じるのは<L>の彼。さらにKISSの<Gene Simmons>が出演したりする) 僕も(単行本派ではあるが)連載開始からずっと読んでいる。 ただ、コミックというある意味限られた媒体から映画というもう少し広い層へ向けた媒体になった場合、あの世界をそのまま出してしまってよいのか、ふと考えたりもする。 クラウザーさん(主人公)が1秒間に10回口走る三文字言葉。 この言葉は、現実世界ではとても重い現実だからだ。 その現実を知るひとたちには、洒落ではすまない。 今日の一冊。 「性犯罪被害にあうということ」 (小林 美佳、朝日新聞出版) (出版社のリンクは「こちら」。一部立ち読みも可) 24歳時、仕事帰りに車に連れ込まれて強姦された筆者。その日から一転した生活・身体・対人関係・・・、そして筆者ができる事、について、ぼかすことなく赤裸々に語る。 被害者は保護されるべき存在? それとも、自ら戦うべき存在なのか?? 強姦罪は親告罪である(複数者による場合はこの限りではない)ことや、セカンドレイプと呼ばれる状況のため、現実としてはなかなか<罪>として問えない例も少なくない。 また、実際には顔見知りから被害を受ける例が多い(デート・レイプ)とされるほか、男性→女性、だけではなく男性→男性、さらに女性→男性(いずれも複数人によるものを含む)もあり、女性だけの問題ではないのが現実だが、一般にはそう思われていない部分も多々ある。 筆者の小林氏が主催するサイトは「こちら」。 また、東京限定?強姦救済センターは「こちら」。 今回のタイトルはタイポグラフィーのまね事である。 タイポグラフィーの神髄を読んでみたい方は、創元SF文庫「遙かなる巨神」(夢枕 貘)所収の<カエルの死>以下9作をおススめ。 PR
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04.09.23:36
今までできていたことが、ある日ある時を境に突然できなくなる。
そのショックはどれほどのものだろう。 事故や病気でいきなり腕が動かなくなる、脚をなくす、視力を失う。 想像してみる、が、想像できるものではない。 失われたものを取り戻そうとする努力は、もちろん大事だが、戻らないものも少なくない。 残された力で、できることはないか? そこでできる事は、新たな世界を広げてはくれないだろうか? 今日の一冊。 「左手のピアニスト-ゲザ・ズィチから舘野泉へ」 (シュミット村木眞寿美、河出書房新社) (出版社のリンクは「こちら」) 2002年、演奏中に脳溢血をきたし右半身に麻痺を残したピアニスト<舘野泉>。 14歳で落馬・銃暴発事故で右腕を失いながらも左手のみのピアニストとして活躍した<ゲザ・ズィチ>。 この二人を軸に、障害を越えた演奏を奏でるピアニストを紹介。 片翼の天使は空を目指す。 更なる妙なる調べを胸に。 実際にはゲザ・ズィチ(「ジチー」との記載もあり)についての伝記に近い本だと思ってもらった方がよい。 舘野氏については、自著である「ひまわりの海」(求龍堂)や「左手のコンチェルト-新たな音楽のはじまり」(佼成出版社)の方を挙げておく。 「左手のピアニストのための曲」は多数ある(この本の帯によれば2600曲以上)とのことだが、では逆はどうなのだろう? つまり「右手のピアニスト」だ。 さっと検索して出てきたのは、故人だがジャズピアニストの<オスカー・ピーターソン>。 彼の演奏をひとつようつべから。 <Alice in wonderland>↓。 「右手のためのピアノ曲」や、「左手のため〜が多いのは何故か?」といった問いに対しては、<こちらの記事>が参考になるだろう。 |
03.14.23:00
東京に住んでいた頃のこと。
僕の行動範囲は、基本的に山手線の(向かって)右半分だった。 池袋〜新宿〜品川。 残りの範囲は、あまり行ったことがなかった。 一番よく使っていたのは、乗り換えの新宿、そして、渋谷だった。 CDを掘りに行ったり、表参道やキラー通りのあたりまで歩き回ったり。 渋谷と言っても「円の内側」が多かった。 渋谷界隈で、行ってみたいと思いつつ、かなわなかった町がある。 行こうと思えば行けたのだが、その「機会」がなかった。 その町は・・・ 渋谷区円山町。 今日の一冊。 「ラブホテル進化論」 (金 益見、文春新書) (出版社のリンクは「こちら」) 諸外国では類例のない(と思われる)独自の施設、ラブホテル。 戦後から現在までの変遷、そして未来の理想までを俯瞰する一冊。 ふたりだけの空間、ふたりだけの時間。 できること、ひとつだけじゃ、もったいない。 |
01.01.17:33
とりあえず。
謹賀新年。 昨年はお世話になりました。 更新頻度激減しまくりですが、それでも足繁く通ってくださる方々に感謝をこめて。 「多謝」 21世紀もはや8年目。 20世紀とどこが違うのか?が今一つ実感できていない。 自分が年を重ねているからかもしれないが、新年に<夢>を感じられないでいる。 来るべき未来が、いま一つ彩り鮮やかに思えない。 鮮やかだったのは、実は過去なのではないか? そう、これから開くだろう鮮やかな未来へ向けての希望が大きかった、<過去>。 今日の一冊。 「ポップ科学大画報1〜20世紀・科学神話の時代〜」 (原 克、ワールド・フォトプレス) (出版社のリンクは「こちら」) 「原子爆弾」と「アウトバーン」。 20世紀が抱えていたふたつの科学の象徴。 そこにひそむ<神話>を多数の図版とともにひも解く。 過去からみた未来。現在からみた未来。 <未来>の位置は、現在か否か? 新年一冊めにふさわしいのかはちょっと謎、な内容の本ではあるが・・・。 本とはまったく関係なく、毎年やってるインタラクティヴ企画。 「今年の<夢>もしくは<やってみたいこと>を教えてください」 思いつかれない方は「あけおめ」コメントでもOKです。 |
12.22.08:40
あと一週間少しで「師走」も終わる。
今年はそれほど走り回らなくてすむようだ。 12月に限らず、走り回っているときにはふと思う。 「こんな仕事、なんでやってるんだろう?」 「他にも仕事(職業)、あるのにさぁ」 邪な心がささやきかける。 「残る連中の事なんか気にするなよ」 「もっと割のいいトコロ、探しな・・・」 しかし、逆の心もささやきかける。 「そっちの水は、ほんとうに、甘いのかい・・・?」 今日の一冊。 「図説{最悪}の仕事の歴史」 (T. ロビンソン、原書房) (出版社のリンクは「こちら」) 古代〜ヴィクトリア王朝時代にかけてのイングランド周辺で、歴史の舞台裏に確実に存在した<誰かがやらなければならなかった>仕事。 底辺から華やかな舞台を支え続けた「彼ら」とその「仕事」をユーモラスに紹介。 隣の芝生は青く見える。 でもきっと、隣から見たらうちの芝生も瑞々しく、青い。 |